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「時をよむ」

「時をよむ」 論説委員室から

 「消費税がなくなったほうがいい人、手をあげてーっ!」。参院選の野党の街頭演説で、いくつかの「不人気投票」を見た。一斉に手をあげる聴衆に、候補者が声を張り上げる。「これは世論、国民の意思です!」

 消費税に反対し批判する野党が、国政選挙で躍進する。政権入り後に増税へ進む。政治は、そんな「時」を重ねてきた。

消費税廃止法案、参院で可決も

 1989年春、「批判、反対を押し切って導入された戦後初めての大型間接税」。こう報じられた消費税は誰もが負担する新税として、税率3%で誕生した。夏の参院選は「ダメなものはダメ」と反対を掲げた社会党が、マドンナ旋風も受けて改選第一党となり、野党が過半数を占めた参院で廃止関連法案が可決した。

 ところが94年秋、自社さ連…

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